帝王切開をしたことで、無知や偏見で苦しむママたちがいます。 帝王切開って楽そう? 陣痛の苦しみを知らないといけないの? 帝王切開のこと、もっと知ってください。

帝王切開の偏見
  今や10人に1人は帝王切開で生まれていると言われています。
  帝王切開だって、立派なお産です! 下にちょっとしたQ&Aがあります
 

帝王切開の偏見について、ちょっと語らせてください

私は帝王切開を話題にしたいくつかのサイトを見るまで、帝王切開に偏見があるなどということは全く知りませんでした。周囲に恵まれてるのかな? 私が気づいてないだけかな? 私自身は出産が帝王切開になると決まった時、納得して手術に臨めましたし、周囲の偏見も全くありませんでした。強いて言えば、ママさん同士の会話でお産の話になった時に「陣痛の時って○○だよね」とか言われてもよくわからないことぐらいかな?
だから、帝王切開サイトで「こんなこと言われたの〜」なんて書き込みを見た時にはびっくりしました。

実の母親から、苦しんでいるのを見ていたにもかかわらず「もう少し頑張れば下から産めたんじゃないの?」と言われたり、知り合いママから「帝王切開って楽でいいよねー」「帝王切開って痛くないんでしょ? 生命保険も下りるし、お得だよねー。私もそうしてもらえば良かった」と言われたり、義母から「この子は楽して産まれてきたから我慢ができないんだよ」と言われたり・・・

とかく日本は、お産は下から産むもの、普通分娩してこそ一人前の母親、といった風潮があるように思います。 妊婦さんや、出産したばかりのママさんは、ただでさえナーバスになっているのに、周囲のちょっとした言葉に深く傷ついてしまう人がいます。

そしてそれは、無知からくることも多いと思います。妊婦雑誌でも帝王切開はあまり多くは扱われませんし、両親学級でもほとんど説明しない場合が多いそうです。 だから、突然帝王切開が決まってしまって動揺し、訳のわからないまま赤ちゃんが生まれてしまって、何年もショックを引きずってしまう人もいるようです。出産する本人にもよくわかっていないのだから、周囲は尚更ですよね。

帝王切開になる原因は様々ですし、デリケートな問題なので扱いも難しいのでしょうが、せめて両親学級などで「帝王切開になることもある」「帝王切開も立派なお産だ」といった心構えや、大まかな流れなどを教えてもらっていれば、たとえ緊急帝王切開になったとしても、少しはショックが和らぐのではないでしょうか?

ちなみに私の母親は子宮に軽度の奇形があり、そのせいかどうかはわかりませんが流産体質でした。妊娠しても、すぐ出血してしまい、入院。症状が落ち着いて自宅に戻るとまた出血、の繰り返しで、家族が「怖いからしばらく入院してて」と長期入院を余儀なくされ、そのまま帝王切開で私を産んだのです。
よく「今は昔ほどは偏見が少なくなった」といった表現を耳にしていたので、では昔はすごく偏見があったのかな?と先日母に訊いてみたところ、「入院してたのは大病院だったから、帝王切開なんてしょっちゅうだったよ。だから別に偏見も何にもなかったよ〜」とあっさり言われてしまいました。土地柄なのでしょうか?? 私も母も周囲に恵まれていたのかな?

なので、親しい友人や家族から変な誤解を受けたり、悪意はなくとも無知から心ない言葉を言われたりといった書き込みを見ると、最初に不思議に思い、次に心が痛みます。

もちろん、普通に分娩できて、安産に越したことはありません。 でも、帝王切開は医師が、あるいは医師の薦めによって本人が決定するものです。帝王切開をするのは、経膣分娩だと危険が伴う可能性があるからです。ママと、赤ちゃんの安全を優先したいからです。
帝王切開はお産とはいえ手術
です。麻酔・肺塞栓・癒着・子どもの呼吸器問題など、様々な危険が伴います。術後は痛いし、普通分娩の人よりは明らかに回復が遅いです。 そういった事柄が一般に知られていないので、悩み、苦しむママさんがいるのです。

みんなに帝王切開を誤解しないでもらいたいし、帝王切開ママは周囲に何か言われてもあまり気にしないでいられるといいと思います。

以下にも色々書いていますが、基本的に帝王切開は安全な手術の部類に入るのではないかと思います。これから帝王切開を受けるママさん、不安なこともたくさんあるとは思いますが、主治医と、そして場合によってはセカンドオピニオンと、よく話し合って、なるべく不安・不満を抱えないような形でお産に臨んでくださいね。

 

 

偏見いろいろ

帝王切開の原因は?

原因は様々ですが、決して「楽をしたいから」とか「根性がないから」などというものではないのです。
経膣分娩だとリスクが高い場合に帝王切開を選択します。
前回の出産が帝王切開、 逆子、多胎、陣痛が弱かったり来ない、前置胎盤(大出血の可能性がある)、児頭骨盤不均衡(母体の骨盤が赤ちゃんの頭より小さい)、妊娠中毒症、母体の持病など、他にもたくさんあります。
帝王切開をせず、無理な経膣分娩を試みたことで、命に関わることになってしまう場合があるのです。

帝王切開って痛くないんでしょ?

痛いです。もちろん、おなかにメスを入れる帝王切開と経膣分娩とは全く質が違いますが。
麻酔をしますから、出産するまでは痛くないことも多いのですが、麻酔が効きにくいと痛いです。その麻酔をするにも痛いし苦しいです。麻酔が切れてからは、傷の痛みと後陣痛の痛みが襲ってきて、大部分の帝王切開ママは痛み止めなしにはいられません。その痛み止めも、無痛になるほどは使うことができず、「痛みが我慢できる」程度です。
2〜3日後には授乳も始まりますが、最初は傷や後陣痛の痛みから、授乳室に行くのも赤ちゃんを抱くのもやっとといった調子なのです。
普通分娩も痛くて痛くてたまらないものですが、出産後は回復が早く、後陣痛と会陰の痛みだけになりますよね?  もちろん大変な方もいらっしゃるでしょうから、すべてとは言えませんが。でも、一般的には帝王切開は傷の痛みがずっとつきまとうのですから、たいていは経膣分娩より遙かに辛いんです。
でも、1日1日と確実に回復していきますので、退院の頃までには痛いながらも赤ちゃんのお世話ができるぐらいにはなっています。


帝王切開って簡単でしょ?

手術としては簡単な部類に入りますが、簡単でも手術というのはリスクが伴うものです。帝王切開が原因で命を落とす人だっています。

 麻酔が体質に合うかの問題
 出血の問題
 術後は足が動かせず、血栓ができやすくなるので肺塞栓(エコノミークラス症候群)の可能性
 内臓の癒着(開腹すると多かれ少なかれあるものらしい)
 子どもの呼吸器問題(普通分娩で安産の場合は、適度なストレスによって赤ちゃんの呼吸は安定するが、いきなり胎外生活を強いられる帝王切開や、過度なストレスにさらされた難産の赤ちゃんは呼吸が不安定になりやすい)

お母さんの持病によってはさらにリスクが伴います。
もちろん、医師がしっかり管理すると思いますので、むやみに怖がる必要はありませんよ。

帝王切開ってお得?

帝王切開は、医療処置をした分だけ保険請求の対象となります。
新生児管理料など、普通分娩の人と同じく保険適用外の費用もあります。

医療保険などに入っている場合は、保険金が下りることが多いです。
でも、保険にも制約があったり、病院や処置方法によっては医療費が高額になってしまうこともあります。
でも、高額医療費の請求もできる場合があります。

ちなみに、私が予定帝王切開をしたときには、普通分娩の人とほとんど同じ請求額でした。生命保険から若干お金が出たので、普通分娩の人より安くすみました。

帝王切開の子は我慢ができない?

出産のストレスがないため我慢ができない子になる、という話は迷信です。その子の資質によるところが多いようです。

帝王切開すると母乳が出なくなる?

母乳は、出産方法に関係なく、胎盤が剥がれれば出てくるものなのだそうです。
母乳の出を良くするためには、産前の手入れをすることや、食生活に気をつけることなども言われますが、母乳の出の要因としては、母親の体質や精神状態によるところが多いようです。また、赤ちゃんが母親と触れあったりお乳をくわえたりすることによって、母親は脳から母乳を出す命令が行くのですが、それは出産後早ければ早いほどいい、とも言われることがあります。帝王切開だと、経膣分娩の人に比べて回復が遅いですから疲れていますし、どうしても初の授乳は2日ぐらい遅れてしまいますから、母乳を出すなら経膣分娩という伝説は、あながち迷信とは言えないのかもしれません。
でも、帝王切開ママだって、産後のマッサージや、たくさん赤ちゃんに吸ってもらうことによって、たくさん母乳を出す人も大勢います。
だから、帝王切開だからといって母乳育児を諦める必要はありません!

下から産まなきゃホントの母親じゃない?
冗談じゃない! 帝王切開するには理由があるんです。無理に下から産んだことによって、赤ちゃんやお母さんが命を落としてしまったり、重篤な後遺症が残ってしまったりしても、そんなことが言えるでしょうか?
帝王切開したからと言って、母性が育たない訳はありません。だったら父親はどうなるの?
母子関係は、出産方法ではなく、出産してからの関わりによって構築されていくものだと思います。
それに、すでに10ヶ月の間に、ママと赤ちゃんとのつながりはできているのですから。
帝王切開ママや、その家族は、おなかの傷を誇りに思っていいのです。

 

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